食物アレルギー

当院では小児の食物アレルギーの検査や治療は行っていないので希望の方は小児科受診をお願いします。また、アナフィラキシーなどの重症の食物アレルギーの治療や食物経口負荷試験の検査は行っていないので総合病院の受診をお願いします。

食物アレルギーは大きく4つの臨床病型に分類されます。
 ①新生児、乳児消化管アレルギー
 ②食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎
 ③即時型症状(蕁麻疹、アナフィラキシーなど)
 ④特殊型(食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群)

ここでは最も一般的な
③即時型症状について取り上げます。
原因食物として乳幼児は鶏卵、牛乳、小麦、そば、魚類、ピーナッツが多いですが、学童から大人になると甲殻類、果物類、魚類、小麦、そば、ピーナッツが多いです。鶏卵、牛乳、小麦、大豆は寛解しやすいですが、その他は寛解しにくいと言われています。原因食物を食べてから2時間以内に症状が出ることが多いです。

症状は、多臓器にわたります。

皮膚:紅斑、蕁麻疹、血管性浮腫、掻痒、灼熱感、湿疹
粘膜:結膜充血・浮腫、掻痒感、流涙、眼瞼浮腫、鼻汁、鼻閉、くしゃみ、口腔・咽頭・口唇・舌の違和感・腫脹
呼吸器:喉頭違和感・搔痒感・絞扼感、嗄声、嚥下困難、咳嗽、喘鳴、陥没呼吸、胸部圧迫感、呼吸困難、チアノーゼ
消化器:悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血便
神経:頭痛、活気の低下、不穏、意識障害、失禁
循環器:血圧低下、頻脈、徐脈、不整脈、四肢冷感、蒼白

これらの症状の中でアナフィラキシーはアレルゲン(この場合原因となる食べ物)の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応と定義され、迅速な診断と対処が必要です。

診断ですが
 ①問診
 ②血中抗原特異的IgE抗体
 ③皮膚テスト(皮膚プリックテストなど)
 ④食物経口負荷試験
があります。通常は①②で診断されていることが多いと思いますが場合により③を施行することもあります。④は食物アレルギーの確定診断として最も信頼性の高い検査法ですが、アナフィラキシーのようなリスクを伴う検査のため当院では行っていません。
即時型の食物アレルギーの治療ですが症状の程度などに応じて抗ヒスタミン薬、ステロイド、アドレナリンなどを投与します。また再発予防として、原因と診断された食物を食べないようにします。