上野駅前皮膚科
皮膚科 小児皮膚科 アレルギー科
03-6284-2496
月曜から土曜まで毎日診療
休診日/日曜日・祝日
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誰しも強く緊張すると手足や脇などに汗をかきますが、多汗症とは通常なら発汗しないような軽い刺激や精神活動によって、全身または局所的に多量の発汗を認める状態をいいます。手掌や足底、脇の多汗症は思春期~青年期にかけて多く、また精神的な原因で発汗する部位に一致するため、同部を支配する自律神経系の機能異常が予想されますが詳細は不明です。局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6か月以上認められ、以下の6症状のうち2項目以上当てはまる場合を原発性局所多汗症と診断しています。
一方、続発性の多汗症には、薬剤性、循環器疾患、悪性腫瘍、感染症、神経学的疾患、内分泌・代謝疾患、末梢神経障害、Frey症候群などが原因の場合もあるので詳しく調べることが必要です。
原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版で勧められている治療は以下のようになります。
<原発性腋窩多汗症>
①抗コリン外用薬
①10~20%塩化アルミニウム単純外用
③A型ボツリヌス菌毒素の局注療法
④抗コリン内服薬
④神経ブロック
④精神(心理療法)
⑦機器による治療
⑧交感神経遮断術
<原発性手掌多汗症>
①20~50%塩化アルミニウム単純外用/密封療法
①水道水イオントフォレーシス療法
③A型ボツリヌス菌毒素の局注療法
④抗コリン内服薬
④神経ブロック
④精神(心理療法)
⑦交感神経遮断術
<原発性足底多汗症>
①水道水イオントフォレーシス療法
②20~50%塩化アルミニウム単純外用/密封療法
③A型ボツリヌス菌毒素の局注療法
④抗コリン内服薬
④精神(心理療法)
<原発性頭部顔面多汗症>
①10~20%塩化アルミニウム単純外用
②抗コリン内服薬
③A型ボツリヌス菌毒素の局注療法
④神経ブロック
④精神(心理療法)
⑥交感神経遮断術
抗コリン外用薬(商品名:エクロックゲル、ラピフォートワイプ)はエクリン汗腺が交感神経から伝えられる汗を出す指令を受け取れないようにブロックすることにより、発汗を抑えます。1日1回使用します。
塩化アルミニウム外用薬(自費薬)により、ムコ多糖類と金属イオンが合成した沈殿物が上皮管腔細胞に障害を与え、表皮内汗管が閉塞して発汗の減少が起こると考えられています。1日1回夜外用して朝シャワーで洗い流します。
A型ボツリヌス毒素の局注療法は、神経終末におけるアセチルコリンの放出を阻害し、神経から汗腺への情報伝達を遮断することで発汗を抑制します。腋窩に対しては保険適応で1回皮内注射することで4~9か月効果が持続します。腋窩の治療は当院でも行っています。
抗コリン内服薬(商品名:プロ・バンサイン)は抗コリン作用により発汗を抑制します。1日3~4錠内服します。
神経ブロックは薬物による交感神経ブロックや赤外線や低出力レーザー照射による星状神経節近傍ブロックなどがありますが当院では行っていません。
精神(心理療法)は催眠療法、バイオフィードバック療法、自律訓練法などが精神科、心療内科で行われています。
機器による治療はマイクロ波、超音波、高周波、レーザーを利用したものがありますが当院では行っていません。
交感神経遮断術は胸部外科で行われる全身麻酔を用いた手術となり当院では行っていません。
水道水イオントフォレーシスは電流を通電することにより生じる水素イオンが汗孔部を障害し狭窄させることにより発汗を抑制すると言われています。当院では行っていません。