インフルエンザ予防接種

 冬になると流行するインフルエンザ。その原因は通常、A型もしくはB型のインフルエンザウイルス感染によるものです。ウイルスの感染は、かかっている人のせきやくしゃみでまわりの人にひろがったり(飛沫感染)、ウイルスが付いた手や指を通じて感染したりします(接触感染)。インフルエンザの流行期の人混みは、たくさんのウイルスが空気中をただよっているので、感染リスクが高くなります。ウイルスに感染してから1~3日(平均2日)後に、さまざまな症状が現れます。また、症状が現れる24時間前~熱が下がった数日後まで、まわりの人に感染させる可能性があります。
 症状はのどの痛み、鼻水、から咳、頭痛、倦怠感、ゾクゾクする寒気などの全身症状を伴って、急に高熱(38~39℃以上)を発します。関節痛や筋肉痛を伴い、無気力になります。下痢を起こすこともあります。高熱は2~5日続き、熱が下がっても、体力・気力が回復するには、多くの場合、さらに1週間ほどかかります。
 インフルエンザワクチンは毎年接種する必要があります。その理由の一つは、インフルエンザウイルスが、毎年少しずつ性質を変えているからです。もう一つの理由は、ワクチンが十分な効果を維持できるのは、接種後約5か月までだからです。インフルエンザワクチンは、当院で対象となる13歳以上の方は、0.5㏄を皮下脂肪組織に、1回注射します。インフルエンザは例年1月上旬~3月上旬ごろに流行し、ワクチンが十分な効果を維持する期間は接種後約2週間から約5か月とされているため、10月~12月中旬に接種することをお勧めしています。インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではないですが、ある程度の発病を予防する効果があり(発病予防効果が34~55%)、またたとえかかっても症状が重くなるのを阻止する効果(死亡を防止する効果は8割程度)があります。
 明らかな発熱のある方(37.5℃以上)はインフルエンザワクチンの接種ができないためご注意ください。接種当日は激しい運動は控えていただければ入浴はOKです。
主な副反応としては
• 全身症状:発熱、悪寒、頭痛、倦怠感等を認めることがありますが、通常2~3日で消失します。
• 局所症状:発赤、腫脹、疼痛等を認めることがありますが、通常2~3日で消失します。
2023-2024シーズンインフルエンザワクチンは
A型株  A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1)
    A/ダーウィン/9/2021(SAN-010)(H3N2)
B型株  B/プーケット/3073/2013(山形系統)
    B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)
のA型2種類、B型2種類の4価ワクチンとなります。
尚、インフルエンザワクチンに含まれるチメロサール濃度はごく少量であり、胎児への影響はないとされています。懸念されていた自閉症との関係は最近否定されており、産婦人科診療ガイドラインー産科編2014では、チメロサール含有ワクチンを妊婦に投与しても差し支えないとしています。

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