多汗症①〜緊張による汗〜

春は入学、進級、入社、異動の季節。
春は新しい環境で緊張するシーンの多い季節です。
緊張すると手のひらや足の裏、顔、ワキの汗が多くなる人も少なくないのではないでしょうか。今回はそんな緊張するシーンでかく汗についてのお話しです。

●緊張による汗、精神性発汗汗が出るのは交感神経の働き●

緊張や不安、恐怖、興奮などを感じた時に、手のひらや足の裏、顔、ワキに汗をかくことは、「精神性発汗」と呼ばれています。緊張などを感じた脳から、エクリン汗腺という主に体温調節のために使われる汗を出す器官に指令が送られることで汗が出ます。また腎臓の上にある副腎という器官が脳からの指令を受けて血液中に放出する物質の刺激によって、ワキや陰部などだけにあるアポクリン汗腺からは脂質やタンパク質の多い汗も出ます。

一方、暑いときや運動しているときに全身で汗をかくことは、「温熱性発汗」と呼ばれています。皮膚にある暑さを感じる神経や、脳にある血液の温度を感じる器官からの情報を受けて、脳からエクリン汗腺に指令が送られることで汗が出ます。

ワキの下は「温熱性発汗」と「精神性発汗」の2つの要素により汗をかきやすい部位と言われています。

●生存のために重要だったのかも●

この精神性発汗は何のために起こるのでしょうか?手のひらや足の裏の汗は「滑り止め」の働きがあると考えられていて、もともとは大昔にヒトが危険な動物から逃げるときなどに重要な役割を果たしていたのではないかと考えられています。

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