皮膚科入門 その2〜皮膚科での検査とは?〜

皮膚病の診察では、他科での診療と同じように、患者さんの訴えを詳しく聞くこと(問診)・他覚症状としての発疹をくまなく観察すること(視診や触診)が基本となります。
そして、このような自他覚症状から
①皮膚に限局した疾患なのか ②全身症状の一つの表現としての発疹なのか、また慢性のものか、急性で緊急性のある皮膚病か。といった点を見極める必要があります。
それらを見極める手段として、さまざまな検査があります。
皮膚科の検査とはどのようなものがあるのか、今回は当院で行える検査内容にスポットをあて、お話ししていきたいと思います👨‍⚕️

🔬顕微鏡🔬
皮膚科といえば白癬(水虫)を思い浮かべる方が多いかと思いますが、実際に多いです。顕微鏡検査は主に白癬(水虫)・カンジダ症・癜風・疥癬(ダニ)・虱症(しらみ)などの診断に用います。
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🔎ダーモスコピー🔎
皮膚科Dr.の机上、あるいは白衣のポケットの中に必ずある簡易的なものと、皮膚病変を10〜20倍に拡大して、表層を透視できるダーモスコープという特殊な拡大鏡があります。
「足の裏にホクロがあるのだけれど、これはメラノーマではないか💦」と心配して来院される患者さんもとても多いです。
診断を確定するためにダーモスコピーを使用する疾患は、疣贅(イボ)・色素性母斑(ホクロ、黒あざ)・円形脱毛症・脂漏性角化症(老人のイボ)・悪性腫瘍{基底細胞癌.ボーエン病.日光角化症.悪性黒色腫(メラノーマ)}などです。
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その他、硝子圧法といって、プレパラートなどの透明なガラスの板で皮疹を圧迫して色調の変化をみたり、皮膚描記法など皮膚の生理学的検査があります。
上記の検査は痛みを伴わず、短時間で結果が得られる、診断の有力な手段となります。
それに対し、血液検査・パッチテスト・培養検査・皮膚生検などは、診断をより正確なものにはしますが、結果が出るまでに時間がかかります。
💉血液検査💉
蜂窩織炎や丹毒・血管炎・円形脱毛症・アトピー・梅毒などの性感染症

👩‍⚕️パッチテスト👩‍⚕️
接触皮膚炎(かぶれ)・湿疹皮膚炎・手湿疹
👩‍⚕️培養検査👩‍⚕️
炎症性粉瘤・毛包炎(よう)・せつ・伝染性膿痂疹(とびひ)
👩‍⚕️皮膚生検👩‍⚕️
ダーモスコピー診断後、良性腫瘍や悪性腫瘍・色素性母斑(ホクロ)の確定診断として行います。

問診・視診・触診に加え、必要な場合はこのような検査を行い診断し、患者さんに説明・指導・治療やケアに努めています。

🖌今月の皮膚科一句🖌

環状に 広がる皮疹は 真菌か

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