皮膚カンジダ症

カンジダ属は、培養条件により酵母と菌糸の形態をとる2相性真菌(酵母様真菌=カビ)の1種です。大部分がCandida albicansにより発症します。カンジダ属は健康な人の口腔、糞便、膣に存在するため、皮膚カンジダ症の診断には皮膚、帯下、爪などを採取し顕微鏡でカンジダが観察される程度に増殖していることを証明する必要があります。皮膚カンジダ症も様々な種類に分けられますが小児に多いのはカンジダ性間擦疹のためここではこれについて解説します。

発汗による多湿や不潔が誘因となって、皮膚と皮膚が擦れ合う部位(間擦部;陰股部、臀部、頚部、腋窩、乳房下部など)に境界明瞭な紅斑を形成します。辺縁には鱗屑や小膿疱を伴います。体部白癬、脂漏性皮膚炎、刺激性接触皮膚炎などと鑑別を要します。乳児の陰股部に生じるものを、カンジダ性おむつ皮膚炎あるいは乳児寄生菌性紅斑といいます。夏季の発汗が多い場所に発生するため、あせも(汗疹)やおむつ皮膚炎(刺激性接触皮膚炎)との鑑別を要します。

治療ですが、入浴、清拭、亜鉛華軟膏などで病変部の清潔、乾燥を保つだけで軽快することが多いです。抗真菌薬の外用が主に行われます。