湿疹

よく皮膚科に来られる方であれば
「湿疹ですね、痒みを抑える塗り薬を出しておきますね」
などと言われたことがあるのではないでしょうか。

実際皮膚科を受診される方で一番多いのはこの湿疹です。
それでは湿疹とはどういうものなのでしょうか?

外的・内的刺激に対する表皮、真皮上層を場とし、多少とも痒みないしひりひり感を伴う無菌性、可逆性の炎症性の皮膚疾患であると教科書には書いてあります。外的刺激とは薬剤、化学物質、花粉、ハウスダスト、細菌、真菌(カビ)などのことで、内的刺激とは健康状態、皮脂分泌状態、発汗状態、アレルギーの有無、アトピー素因などのことです。これらにより湿疹が形成されます。

湿疹には急性と慢性があります。急性湿疹の皮膚症状は紅斑(赤い斑点)、丘疹(ぶつぶつ)、小水疱(小さい水ぶくれ)、膿疱(うみ)、湿潤(じくじく)、痂皮(かさぶた)、落屑(かさかさ)と多彩な皮膚症状からなります。また慢性湿疹は苔癬化(皮膚がかたく、厚くなる)、色素沈着(しみ)の症状がメインです。湿疹と皮膚炎は同じ意味で使われ、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎(かぶれ)、脂漏性皮膚炎、手湿疹(手荒れ)、皮脂欠乏性湿疹などは湿疹に含まれます。治療はステロイド外用剤がメインとなります。