その症状、水虫じゃないかも?🦶

「小さな水疱ができてかゆい」
「手足の皮がむけてくる」

サンダルなどで素足を出すシーズンになると、こんな症状から真っ先に水虫を疑うお声を聞くのですが、きちんと検査してみると実は汗疱(汗疱性湿疹・異汗性湿疹)だったというケースが意外に多いです。

【汗疱ってどんな病気?】

手足に小さい水ぶくれができたり、ふやけて皮がめくれたりしてくる疾患です。手のひらや足の裏に良くみられますが、指の横側や手背足背側にも症状が出てくることがあります。次第に湿疹化して痒みや痛がゆさを伴ってきます。

【汗疱の原因は?】

汗が皮膚の中で詰まってしまうことが原因です。汗は汗腺という皮膚の深いところで作られ、長く細い汗管という管を通って皮膚の表面に出てきます。
汗管が何らかの影響で詰まったり、小児などのように汗管が細かったり、一気に大量に汗をかいたり、温度差で急に汗が引いたりすると、皮膚表面に出るべき汗がうまく出られずに、皮膚の中に貯まってしまうのです。これが水ぶくれができる汗疱の病態です。
他にも金属アレルギーや感染症などの関与が考えられていますが、主な病態は汗の詰まりにあります。

【汗疱の治療は?】

痒みがなかったら経過観察のみの場合もありますが、痒みがあればステロイド外用剤が選択されます。皮膚を浸軟させれば汗は出やすくなることから、尿素系外用剤なども予防目的で用いられます。

【汗疱で気をつけることは?】

角質が硬くなると汗が出にくくなるため、まめな保湿が推奨されます。ゴム手袋を常に装着するなどして、汗をかいた状態で密閉するのは避けるべきです。一気に汗をかいたり、急に汗がひいたりすることも、汗の詰まりを誘発するので本来は良くありませんが、気温の影響を受けるのでやむを得ない部分もあります。

患者さまの中には、市販の水虫薬を一生懸命塗ったのに良くならず、時間とお金をかけてからやっと皮膚科を受診されたという方もいらっしゃいますが、顕微鏡で菌を確認しないと見分けがつきにくいケースもありますので、疑わしい症状が出た時は自己判断せずに医療機関で検査を受けてください。結果に合わせた正しい処方薬で困った症状を早めに治療しましょう☝️

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