外用薬混合の功罪

しばしば異なる外用薬を混ぜて使用する人がいます。
ですが、混ぜ合わせれば、その主剤の濃度が下がるばかりでなく、基剤との相性によって皮膚への吸収が低下することが多いのです。
また、基剤が異なれば充分に混ざりません。

一般に医薬品は人を対象とした臨床試験を行い、有効性が確かめられた場合に厚生労働省がその発売を認可することになっています。
つまり、発売されている医薬品は主剤が効率よく皮膚に吸収されるために、どの基剤との組み合わせがよいかを臨床試験で確かめてあります。
それ以外の外用薬と混ぜ合わせた場合の有効性は、臨床試験で確かめられているわけではありません。
ですので、むやみに他の外用薬を混ぜると、その外用薬の効果が計算以上に落ちたり、上がったりすることがあるのです。

一般にジェネリック薬の効果がブランド薬よりも落ちるのも、基剤との相性を臨床試験で確かめてないからです。
アメリカではジェネリック薬も臨床試験で有効性を確かめないと発売できないため、ジェネリック薬とブランド薬との有効性、副作用には殆ど差がありません。
しかし、日本のジェネリック薬は臨床試験を行わなくても医薬品として発売してもよいことになっているため、必ずしもその有効性と安全性の担保がとれているわけではないのです。

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