光線療法

治療に使用される紫外線治療器(ダブリン7シリーズ)は、2012年に医療機器として承認を受けております。皮膚科光線療法(中波紫外線療法)として健康保険が適用となります。

<治療の内容、効果、目的、所要時間等>

古くから乾癬をはじめとする、塗り薬だけではコントロール出来ない慢性皮膚疾患の治療に紫外線療法が用いられて来ました。近年開発されたナローバンドUVB療法は、311~312nmにピークを持ち、従来の紫外線療法(PUVA療法)と比較して過剰な紅斑反応(皮膚が赤くなる反応)を起こしにくく、効果の面でも優れています。治療の対象となる疾患は、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性白斑などです。光線過敏症のある方、皮膚悪性腫瘍の合併・既往のある方、免疫抑制剤の内服・外用のある方は照射することが出来ません。所要時間は、数分程度です。

  • 治療方法
    • 通常は低い線量から照射を開始して、少しずつ線量を上げていきます。
    • 淡い紅斑がみられる様なら、先回と同じ照射量で行います。
    • 照射の頻度は、週1~3回が望ましいとされています。軽快とともに照射間隔をあけたり、照射を休止したりします。
    • 症状が軽快した場合、治癒した場合は途中で本治療を中止します。効果が乏しい、もしくは紫外線過敏などで悪化がみられた場合も中止します。
  • 治療費
    • 治療費は、健康保険の適用です。3割負担の方は1回1,020円、1割負担の方は約340円です。
  • 一時的な副作用について
    • 照射量を増量することによって、境界のはっきりした明瞭な紅斑、痛みを伴う紅斑、水疱を生じる可能性がありますが、その場合は適切な外用療法で症状が無くなるまで待ち、照射量を半減して、その後少しずつ増量を行います。
    • 紫外線過敏などで悪化がみられたためにナローバンドUVBが照射出来ない場合も中止し、適切な塗り薬を処方します。
    • 紫外線を長期にわたって漫然と照射すると色素沈着(シミ)、皮膚老化(シワ)が出現する可能性があります。
    • 本治療は、従来の紫外線療法と比較して発癌性が少ないことが推定されていますが、照射後は経過観察が必要です。
    • 紫外線から目を保護し、白内障や中心性網膜炎を防止するために紫外線カットゴーグルを装着していただきます。
    • 全ての方に効果があるというわけではありません。照射しても症状の改善が見られない場合は施術を中止します。